下地良男琉球大名誉教授「沖縄の米空軍基地」(翻訳)
2010年 05月 31日
ブログ「どこへ行く、日本。」で知った、下地良男琉球大名誉教授による The New York Times への投書「The U.S. Air Base on Okinawa」の翻訳です。もちろん表現の選択などは私によるものですので、これがそっくりそのまま下地教授の言いたいことだと誤解しないでください。誤訳その他はコメント欄にてどうぞ。
沖縄の米空軍基地
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「選挙公約に違反して沖縄の米軍基地で折れた日本(Japan Relents on U.S. Base on Okinawa)」(5月24日の記事)は、普天間のアメリカ海兵隊飛行場を――元々の合意通りに――沖縄の北部に移設するという鳩山由紀夫首相の発表を、「オバマ政権の勝利であり鳩山首相にとっては屈辱的な挫折」として描いています。
明らかにこのつまらない口喧嘩で、鳩山政権は2006年の日米合意に固執するオバマ政権の全面的な圧力に屈服したのです。鳩山首相はこの前の選挙運動の最中に、普天間の機能を沖縄県外に移設すると言うことによって、沖縄人の期待を高めていました。
しかしながらオバマ政権は、この勝利はまた自己に対する敗北であることを心に留めておかなくてはなりません。なぜならそれは、「非民主的な」あるいは「啓蒙されていない」国家を相手にする時に、ワシントンが唱道する民主主義の原則に矛盾するものだからです。
ワシントンが充分に気付いているように、沖縄人の圧倒的多数は沖縄に米軍基地を駐留させ続けるあらゆる計画に反対しています。なんでまたオバマ大統領は、鳩山首相に同国人の願いを無視して行動するように要求するのでしょう?
下地良男
那覇,沖縄,2010/5/24
by sea_of_sound_2008
| 2010-05-31 11:55
| 政治